子供のためのヴァイオリンクラス

● 常にに喜びの中で(その中で苦労もしますが基本は喜びの中で)

子供が喜びをもってバイオリンを習えるようにするためには、まず、楽器を弾くということよりも音楽を描くということを意識させること、音楽を味わう体験ができる機会をつくってあげることが大切です。バイオリンは複数の音を同時に重ねてハーモニーを味わうことがすくなくなりやすいので、たとえば二重奏を他の生徒とひかせたりすることで音楽の美しさを身をもって感じることができます。子供がどのような気持ちで音楽とバイオリンに親しんでいるか、など細やかな配慮が必要です

● 褒められることよりも喜びを与える演奏会


当バイオリン教室では発表会という形でなく、ホームレスのための施設、病院などで、” 奉仕 ” としての演奏会を行います。賞賛を浴びることによってではなく、与えることによって自らも喜びを感じるという姿勢を養うためです。

バイオリン教室の門下生達による、勉強会としての教室内での演奏会を行うこともあります。(全て自由参加)

実は、バイオリンの弾き方における日本とヨーロッパの違いは基礎の段階においてとくに顕著なのです。しかしながら、これについてはあまり知られていないのが現状のようです。

ドイツやフランスで子供達がバイオリンを習うところを聴く機会はなかなかないかもしませんが、実際に聴いてみると、ほとんどの場合、日本のやり方とは驚くほど違うものなのです。あちらで習う弾き方と比べると、日本では、特に、しっかりとバイオリンを弾かせようとするために、右手が硬くなり、強い圧力で、大きい音で、きっちり、しかも拍子をとって!(音楽は拍子ではできていない)弾かせることが多いのです。そして、いつも弓をつかんだ状態で弾くようになってしまうことにより、ppを弾くときにも弓をつかんだまま弾くことになるので、弓による表現の描写の仕上がりがが非常に不安定で、pやppが苦手になってしまうのです。
日本のオーケストラがヨーロッパのオーケストラに比べて音量がが明らかに大きいこと、PPが苦手という原因もそこにあるのです。 にもかかわらず、日本国内では、ヴァイオリンに限らず他の楽器においても、もっと芯のある音、もっとしっかり という指導が多い。 (余談ですが、ヴァイオリンの工房における、楽器の音の調整についても、音を強くすることを前面に求めた駒と魂柱などの調整が主流なのです)”常に強く弾くと表現が貧しくなる”というのはチェリストのカザルスも指摘しています。また、カザルスよりもひと世代前のバイオリニスト Auguste de Berioも彼の著書(バイオリン 教本) ” methode de violon ” のなかで詳しく語っています。ベリオはバイオリンを芸術的に歌わせるために技巧を発展させたヴァイオリン奏者のうちの一人です。ベリオの妻が歌手であったこともあるかもしれません。(フランコベルギー

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