表現への要求度が高いほど、より多くの技術の問題が出て参ります。それを解決する結果、高度な技術が身につきます。
表現への要求度が低いと、技術の問題も、音程を外すという単純な問題くらいしか出てきません。
“ 表現への要求度が高いほど、より高度な演奏テクニックが身につく “ というパラドクスは真実なのです。
なぜかというと、『技術はイメージのあとに形作られる』からです。
ここでいう『技術』とは 単に技巧的難曲をそつなく弾く『技術』のことではなく、
音楽を芸術的に描き上げ、音楽の目的である“感動“ に導くための繊細な『技術』のことです。
なぜかというと、求める音楽表現の水準がその演奏家の技術の高止まり=限界になるからです。
きめの細かい表現を求めるところにこそ、きめの細かい技術が必要になり、発達するのです。
大変重要なことなので逆にも言ってみますと……
きめの細かい表現を求めないところには、きめの細かい技術は必要がないので、発達しない ということになります。
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